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最終更新日: 2026年03月12日
「今の家に住み続けながら、資金を確保したい」。そんな悩みを抱える方に注目されているのが「リースバック」と「リバースモーゲージ」という2つの方法です。
どちらも自宅を活用して資金を調達できるという点では共通していますが、その仕組みや条件、リスクは大きく異なります。自分の状況に合った方法を選ばないと、かえって経済状況を悪化させてしまう可能性もあるため、それぞれの特徴をしっかりと理解することが大切です。
本記事では、リースバックとリバースモーゲージの仕組みや違い、それぞれのメリット・デメリット、向いている人の特徴、住宅ローンが残っている場合の利用可否、そして住宅ローン返済が困難な場合の選択肢として「任意売却」についても詳しく解説します。
「今の家に住み続けながら、資金を確保したい」。そう考えるシニア世代のために作られた制度が「リバースモーゲージ」です。これは、ご自宅を担保にして金融機関から融資を受け、そのお金で生活費やリフォーム費用、あるいは既存の住宅ローンの返済を行う仕組みです。
最大の特徴は、一般的なローンとは異なり、生きている間は「利息のみ」を毎月支払い、借りた元金は契約者(ご本人)が亡くなった後、または契約期間終了時に自宅を売却して一括返済するという点です。月々の支払負担を極限まで抑えられるため、年金生活や収入減に悩む世代の資金調達手段として注目されています。
リバースモーゲージは、あくまで自宅を担保にした「融資(借金)」です。家を売るわけではないため、自宅の「所有権」はあなた(または配偶者)に残ります。愛着のある我が家が他人の手に渡ることはありません。
ただし、所有者であり続ける以上、固定資産税や都市計画税といった税金の支払い義務は残ります。また、担保価値を維持するために、建物の老朽化に対する適切な修繕や管理を行う責任も、引き続き所有者が負うことになります。
リバースモーゲージの利用にはいくつかのハードルがあります。まず年齢制限があり、多くの金融機関で「55歳以上」や「65歳以上」とされています。
そして最も重要なのが「担保評価」です。リバースモーゲージは土地の価値を重視するため、建物価値の減少が早い「マンション」や、地価が低いエリアの戸建てでは、そもそも利用できないケースが少なくありません。
また、借りたお金の使い道(資金使途)も、生活資金や住宅関連費用などに限定されることが多く、投資や事業資金には使えないのが一般的です。
リバースモーゲージには、以下のようなリスクがあることを理解しておく必要があります。
「リースバック」とは、自宅を不動産会社やファイナンス会社、投資家などに一度「売却」し、同時にその買い手と「賃貸借契約」を結ぶことで、家賃を払いながらそのまま住み続ける仕組みです。正式には「セール・アンド・リースバック」とも呼ばれます。
家を売ることで、将来受け取るはずだった資産価値を「今、現金として」一括で受け取ることができます。リバースモーゲージとは異なり「売却代金」として受け取るため、資金の使い道に制限はなく、住宅ローンの完済はもちろん、生活費や老後資金、事業資金など自由に使うことができます。
リースバックの最大の特徴は、自宅を「売却」するため、家の所有権が買い手に移転することです。名義が他人(運営会社など)に変わるため、これまで負担していた固定資産税や都市計画税、マンションの場合は管理費や修繕積立金の支払い義務がなくなります。
家の維持管理にかかる手間やコストから解放されるのはメリットですが、一方で「自分の家ではなくなる」という心理的な喪失感や、勝手にリフォームができなくなるといった制限も生まれます。
リースバックは基本的に年齢制限がありません。現役世代の方でも、高齢の方でも利用可能です。また、金融機関の融資ではないため、審査基準も比較的柔軟です。
市場価値(売れる値段)がつく物件であれば、マンションや築年数が古い戸建て、借地権付き建物などであっても取り扱いの対象となります。リバースモーゲージでは対象外となりやすい「築古マンション」にお住まいの方にとっては、リースバックの方が間口が広いと言えます。
両者は「住み続ける」という結果は同じですが、中身は「借金(融資)」と「賃貸(売却)」という全く別の契約です。そのため、月々のコストや将来のリスクに大きな差が生じます。ご自身の状況にどちらが適しているか、以下のポイントで比較してみましょう。
| 比較項目 | リースバック | リバースモーゲージ |
|---|---|---|
| 契約の形態 | 不動産売買契約+賃貸借契約 | 金銭消費貸借契約(融資) |
| 所有権 | 買主(運営会社)に移転 | 本人のまま |
| 資金の受取方法 | 売却代金として一括 | 融資として一括または分割 |
| 資金使途 | 自由(制限なし) | 生活資金等に限定(投資・事業不可) |
| 毎月の支払い | 家賃 | 利息のみ(元金は死亡時返済) |
| 年齢制限 | なし | あり(55歳〜65歳以上が多い) |
| 対象物件 | 制限少ない(マンション可) | 戸建て中心(マンション不可の場合多い) |
| 同居家族 | 制限なし | 配偶者のみなど制限あり |
| 固定資産税 | 買主が負担(支払い不要) | 本人が負担 |
| 相続人の同意 | 不要 | 必要な場合が多い |
| 家を残せるか | 買い戻し可能な場合あり | 現金で一括返済すれば可能 |
| 契約終了後 | 退去・買い戻し・更新 | 自宅売却による返済 |
毎月のキャッシュフロー(現金の出入り)には大きな違いがあります。
リースバックの場合、支払うのは「家賃」です。この家賃は周辺相場ではなく、売却価格に対する利回り(年間6〜12%程度)で決まることが多いため、今の住宅ローン返済額よりも高くなる可能性があります。
リバースモーゲージの場合、支払うのは「利息」のみです。元金の返済は猶予されるため、月々の支払いは数千円〜数万円程度で済むことが多く、手元の現金を温存しやすいのはリバースモーゲージと言えます。
「家を子供に残したいか」も重要な判断基準です。
リースバックは売却してしまうため、当然ながら子供に家を相続させることはできません。また、賃貸契約が「定期借家契約(更新がない契約)」の場合、2〜3年で退去を迫られるリスクがあります。
リバースモーゲージは所有権があるため、契約終了時に相続人が現金で借入金を一括返済すれば、家を残すことが可能です。ただし、長生きして借入額が融資限度額に達してしまうと、生存中に融資が止まったり、一部返済を求められたりする「長寿リスク」がある点に注意が必要です。
リースバックとリバースモーゲージは、それぞれ異なる特徴を持っています。どちらが良いかは、あなたの年齢、資産状況、将来の計画によって変わります。ここでは、それぞれに向いている人の特徴を整理します。
以下のような方には、リースバックが適しています。
以下のような方には、リバースモーゲージが適しています。
残念ながら、以下のような状況では、リースバックもリバースモーゲージも利用が難しい場合があります。
このような場合には、後述する「任意売却」という選択肢を検討することをおすすめします。
住宅ローンが残っている状態でリースバックやリバースモーゲージを利用したい場合、最も重要なのは「今の住宅ローンを一括返済できるか」という点です。実は、どちらの制度を利用するにしても、既存の住宅ローンを完済し、銀行の「抵当権」をきれいに抹消することが絶対条件となります。ローンが残ったままでは、どちらも利用できません。
リバースモーゲージを行う金融機関は、万が一の回収に備えて、自宅に「第一順位の抵当権」を設定する必要があります。そのため、今の住宅ローンは完済していなければなりません。
「リバースモーゲージで借りたお金で、今のローンを返せばいい」と考えるかもしれませんが、リバースモーゲージの融資額は、担保評価の50〜60%程度と低く設定されます。今のローン残債が家の評価額の半分以上残っている場合、融資額だけでは完済できず、審査に通らない(利用できない)ケースが大半です。
リースバックの場合、家を売るわけですから、売却代金で住宅ローンを全額返済し、抵当権を抹消して買主に引き渡す必要があります。
ここでの問題は、「いくらで売れるか(買取価格)」です。リースバックの買取価格は市場相場の7割前後になることが一般的です。もし、この買取価格よりも住宅ローン残債の方が多い場合(オーバーローン状態)、足りない差額をあなたの貯金から現金で支払わない限り、契約することはできません。
「住み続けられるなら」と安易に飛びつくと、かえって経済状況を悪化させ、最終的に住まいを追われることになりかねません。特に資金繰りが厳しい状況では、以下のリスクに十分注意してください。
あなたのマンションの査定額よりも、住宅ローン残債の方が多い「オーバーローン」の状態であれば、残念ながら通常のリバースモーゲージもリースバックも利用できません。
差額を埋めるために、高金利のカードローンで借金を重ねたり、甘い言葉で勧誘する悪質な業者を利用したりすることは絶対に避けてください。それは破綻を早めるだけのNG行動です。
もしギリギリでリースバックができたとしても、安心はできません。ローンを完済するために無理に高い価格で買い取ってもらうと、それに比例して毎月の家賃も高額になります。
収入が減っている中で、相場よりも高い家賃を払い続けることは困難です。家賃を滞納すれば、賃貸契約は解除され、強制退去となってしまいます。「住宅ローン」が「家賃」に変わっただけで、苦しさが変わらなければ意味がありません。
リースバックでは「定期借家契約」が採用されることが多く、契約期間(多くは2〜3年)が満了すると更新されない可能性があります。「ずっと住み続けられる」と思っていたのに、数年後に退去を迫られるケースも少なくありません。契約時に「普通借家契約」か「定期借家契約」かを必ず確認しましょう。
リバースモーゲージの審査に通らず、リースバックをするにも差額を払う現金がない。それでも「今の家に住み続けたい」「競売だけは避けたい」と願うなら、残された現実的な選択肢は「任意売却」です。
一人で悩んでいても、時間とともに状況は悪化し、最終的には競売になってしまいます。そうなる前に、専門機関へ相談してください。
任意売却とは、住宅ローンが残っている状態(オーバーローン)でも、債権者(金融機関)の合意を得て、抵当権を解除してもらい家を売却する方法です。
通常なら「全額返済しなければ売れない」ところを、専門家が間に入り「売却代金での返済で了承してもらう」交渉を行います。さらに、任意売却の枠組みの中で、協力してくれる投資家に家を買ってもらいリースバックを行うことで、住み続けられる可能性も残ります。
もし退去することになっても、引越し費用の捻出や、残った借金の返済方法について柔軟な対応が期待できます。
A. 一概にどちらが得とは言えません。月々の支出を抑えたいならリバースモーゲージ、まとまった資金を自由に使いたいならリースバックが適しています。また、マンションにお住まいの場合や55歳未満の方は、そもそもリバースモーゲージを利用できない場合が多いため、リースバックが選択肢となります。
A. どちらも、売却代金や融資額で住宅ローンを完済できることが条件です。残債が上回る「オーバーローン」の状態では、差額を自己資金で補填できない限り利用できません。その場合は任意売却を検討する必要があります。
A. 多くの金融機関では、リバースモーゲージの対象を戸建て住宅に限定しており、マンションは対象外となるケースが一般的です。マンションにお住まいの方は、リースバックの方が利用しやすいでしょう。
A. 一般的に、売却価格に対する年間利回り(6〜12%程度)を基準に算出されます。売却価格が高くなると家賃も高くなる仕組みのため、売却価格と家賃のバランスを考慮することが重要です。
A. 契約内容によります。「普通借家契約」であれば更新が可能ですが、「定期借家契約」の場合は契約期間(多くは2〜3年)満了で退去が必要になる可能性があります。長く住み続けたい場合は、契約形態を事前に確認しましょう。
A. 金融機関や商品によって異なりますが、一般的に生活資金、住宅のリフォーム費用、医療・介護費用、住宅ローンの借り換えなどに限定されています。事業資金や投資目的には使用できないことが多いです。
A. リバースモーゲージの場合、契約終了時に相続人が借入金を一括返済すれば家を残すことができます。リースバックの場合も「買い戻し特約」を付けることで、将来的に買い戻せる可能性があります。ただし、買い戻し価格は売却価格より高くなることが一般的です。
住宅ローンの残債が多く、返済に困窮している状況では、審査や条件の厳しさから、リバースモーゲージや通常のリースバックを利用することは困難なケースが多いのが現実です。
しかし、諦める必要はありません。「家を守りたい」「負担を減らしたい」という希望を叶えるためには、競売になってしまう前に一般社団法人全国任意売却協会へご相談ください。
当協会は、住宅ローン問題と任意売却の専門家集団です。あなたの状況に合わせて、リバースモーゲージやリースバックが可能かの診断はもちろん、難しい場合の任意売却による解決策まで、トータルでサポートいたします。
相談の際はフリーダイヤル 0120-963-281(クロウサルニンバイ)へお電話下さい。メール・LINEによるご相談は24時間受け付けています。お電話が難しい場合は無料相談フォーム、または公式LINEアカウントにてお気軽にお悩みをご相談下さい。ご相談内容は秘密厳守いたします。
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任意売却取扱主任者/宅地建物取引士
賃貸から売買まで不動産業務を多岐にわたり経験してきました。その中で任意売却に悩まれている方のお力になれたらと自ら志願して全任協にて従事しております。ご不安ばかりで相談することにも躊躇するかもしれませんが、私たちが不安を取り除き新しい人生のスタートを切れるようにお手伝いさせていただきます。ご相談から売却終了後のサポートまでさせていただきます。お気軽にご相談ください。
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