親族間売買（しんぞくかんばいばい）を検討する際、最初に壁となるのが「誰に相談すればよいのか」という問題です。
とくに住宅ローン滞納問題を抱えている場合や、将来の相続トラブルを避けたい場合には、適切な専門家の選択とアドバイスが欠かせません。
この記事では、親族間売買の相談先の選び方や専門家の役割、成功のポイントについて詳しく解説します。
親族間売買とは？
親族間売買とは、家族や親戚など血縁関係のある人同士で不動産を売買する取引形態を指します。
第三者に不動産を手放したくない事情がある場合や、家族内で資産を引き継ぎたい場合に選ばれる方法です。
親族間売買において「親族」と認められる範囲は民法第725条に基づいて定められています。
主な範囲は以下の通りです。
| 関係 |
親等 |
具体例 |
チェックの厳しさ |
| 直系血族 |
1〜6親等 |
親子、祖父母と孫 |
非常に高い |
| 傍系血族 |
2〜6親等 |
兄弟姉妹、叔父叔母、いとこ |
高い |
| 配偶者 |
– |
夫、妻 |
非常に高い |
| 姻族 |
1〜3親等 |
義父母、義兄弟 |
やや高い |
親族間売買において、税務署から特に注意されるのは「相続税逃れの売買ではないか」という観点からです。
そのため、相続人となる可能性がある範囲の親族との取引は特に厳しくチェックされます。
親族との取引では、適正価格での売買が特に重要となり、「みなし贈与※」と判断されないよう注意が必要です。
親族間売買を検討する場合は、専門家に相談し、適切な手続きを踏む必要があります。
※みなし贈与とは、親族間売買などで時価より著しく低い価格で取引した場合に、その差額分を贈与したとみなして贈与税が課税される制度
住宅ローン滞納の対処や相続トラブル回避として用いられる
親族間売買が検討される背景には、主に「住宅ローンの返済問題」と「相続対策」があります。
住宅ローンの支払いが困難になった場合でも、購入資金を用意できる親族がいれば、債権者の承諾を得たうえで家族間で売買し、ローンを清算できる可能性があります。
また、高齢の所有者が「死後、不動産をめぐって家族が争わないように」と考え、生前のうちに希望者へ売却しておくケースも多くみられます。
このように家族の資産を守りながら問題を解決する有効な手段となるのが、親族間売買です。
一般的な売買と親族間売買の違い
親族間売買と一般的な不動産取引には、以下のような違いがあります。
適正価格より著しく安い金額の取引は「みなし贈与」として贈与税が課せられる可能性がある
親族間売買は審査が厳しく、住宅ローンを組めない可能性がある
一般的な売買で受けられる税制上の特例が適用されないケースがある
これらの違いを理解せずに進めると、思わぬトラブルや税金負担が発生する恐れがあるため、専門家への相談が不可欠です。
親族間売買はどこに相談すれば良いのか？
親族間売買の主な相談先は、次の通りです。
法律に特化した不動産会社
公証役場
以下でそれぞれの相談先に依頼するケースや、専門家に相談する必要性を解説します。
法律に特化した不動産会社に依頼するケース
不動産会社への依頼が適している場合は、主に以下のようなケースです。
購入希望者が住宅ローンを利用したい場合
適正な価格設定で「みなし贈与」を避けたい場合
売買契約から引き渡しまで一貫したサポートが必要な場合
とくに、住宅ローンを利用する場合は、金融機関が取引の適正さを判断するため、不動産業者の仲介が必須となります。
不動産会社は物件の査定や価格調整を行い、みなし贈与にならないよう適正価格を割り出し、実際の取引をサポートします。
親族間売買で不動産会社を通せば、「贈与ではなく一般的な売買と同じ」とアピールできるため、税務署や金融機関からの信用が大きく増すといったメリットもあります。
公証役場に依頼するケース
公証役場への依頼が適しているのは、次のようなケースです。
現金の取引が可能で住宅ローンを利用しない場合
登記手続きと簡易的な契約書作成のみ必要な場合
公証役場は、不動産登記や名義変更の手続きを行う法律行為をサポートしてくれる役場です。
ただし、法律的な内容の指南を受けられるに留まり、税金などは自身で税務署や税理士に確認することが必要となります。
必ず親族間売買の専門家に相談しよう
親族間売買は一般的な取引と異なり、特有の注意点があるため、分野に詳しい専門家への相談が欠かせません。
相談先としては、親族間売買や任意売却等で実績豊富な不動産会社が適しています。
親族間売買の実績ある会社に依頼すれば、複雑な手続きも円滑に進めやすくなるでしょう。
物件査定から売買成立、売却後のローン残債整理まで、幅広いサポートを期待できます。
また、税務上の影響も大きいため、税理士への相談も不可欠です。
とくに「みなし贈与」の回避策や相続対策としての活用法について、司法書士のアドバイスが役立つでしょう。
親族間売買の相談先を選ぶ際の基準
親族間売買の相談先を選ぶ際には、以下のような基準があります。
親族間売買を成功に導いた実績が豊富にあるか
金融機関と提携しているか
以下で詳しい内容をみていきましょう。
親族間売買を成功に導いた実績が豊富にあるのか
相談先の選定基準として特に重要なのは、親族間売買の実績があるかという点です。
親族間売買は通常の不動産取引と異なる特殊なケースであり、経験豊富な専門家でなければ適切な対応が難しいことがあります。
実績豊富な専門家の特徴は以下の通りです。
親族間売買の成功事例を複数持っている
みなし贈与対策の知識がある
住宅ローン審査のノウハウを持っている
税務上のリスク回避策を提案できる
とくに親族間売買では、感情的な要素が強く、トラブルに発展しやすい側面があります。
贈与税やトラブルを回避するためには、適正な価格で売買契約を締結する必要があるでしょう。
金融機関と提携しているか
親族間売買で住宅ローンを利用する場合、金融機関からの融資が重要なポイントです。
親族間売買の実績を豊富に持つ不動産会社は、どの金融機関なら住宅ローンの審査に通りそうかを熟知しています。
金融機関との連携がとれる専門家に依頼するメリットは、以下の通りです。
最初から見込みのある金融機関にのみ審査を申し込める
融資を受けられる確率が高くなる
適切な金利での融資を受けられる可能性が高まる
審査がスムーズに進む
親族間での住宅ローンは金利が高くなる傾向があります。
金融機関との良好な関係を持つ専門家を選べば、より有利な条件での融資を受けられる可能性が高まるでしょう。
当協会の親族間売買の成功事例
ここでは、一般社団法人全国任意売却協会の事例を参考に、実際の成功例をご紹介します。
成功事例を見れば、金融機関との良好な関係を持つ、実績にある専門家に依頼する必要がみえてくるでしょう。
愛着ある家を子どもに売却したケース
ある方は、長年住み続けてきた愛着のある家を手放したくないという思いから、息子さんに売却して自分は住み続けたいと考えていました。
しかし、どのように進めればよいか分からず、専門家への相談を決断したそうです。
この方のケースでは、専門家のサポートにより親子間での適切な売買手続きが実現し、希望どおりの結果となっています。
売却後も住み続けられるセール＆リースバック方式を採用したことで、思い出の家に住み続けながらも、住宅ローンの問題を解決できました。
銀行が見つからなかったケースの解決例
東京都に住むAさんは、親族間売買を検討していましたが、融資を受けられる銀行が見つからず困っていました。
多くの金融機関では親族間売買に対応していないか、厳しい条件を設けているためです。
そんな中、長女さんが全国任意売却協会のホームページを見つけ、相談したところ、親子間売買に対応できる金融機関を紹介してもらえました。
専門家の知識と金融機関とのネットワークにより、希望通りの親子間売買が実現した事例です。
当協会の親族間売買（親族間売買の相談先は「実績のある不動産会社」がおすすめ！）
親族間売買は、家族の資産を守りながら問題を解決する有効な手段ですが、適切な専門家のサポートなしでは失敗するリスクが高まります。
弊会では、親族間売買に関するたくさんのご相談をお寄せ頂き、全国において親族間売買に対する住宅ローンの取扱が豊富な実績や取引経験のある加盟店業者さんをご紹介させて頂いております。
とくに住宅ローンの滞納問題を抱えている場合や、将来の相続トラブルを避けたい場合には、親族間売買の実績豊富な専門家に相談するのがおすすめです。
適正な価格設定、明確な契約書の作成、税金面の影響の考慮など、親族間売買特有の注意点を理解することで、将来のトラブルを避けスムーズな取引を実現できます。
ただし、親族間売買は慣れていない不動産会社が行うと成功の確率が大きく下がります。
また、1度金融機関に審査や相談を進めてしまうと2度と審査が進められなくなることも多くございます。
一方当協会はこれまで多くの親族間売買を成功に導いてきました。
ご自宅だけで親子間売買を進めると失敗し、断られた履歴が個人情報として半年間残りその後も断られる可能性が増えるため、そうなる前に一度ご相談ください。
当協会の専門スタッフがご対応させていただきます。
フリーダイヤル0120-963-281（クロウサルニンバイ）へご連絡ください。
メール・LINEによるご相談は24時間受け付けています。
お電話が難しい場合は無料相談フォーム、または公式LINEアカウントにてお気軽にお悩みをご相談下さい。
ご相談内容は秘密厳守いたします。
記事監修者
藁科 暁 / 埼玉本部長
任意売却取扱主任者/宅地建物取引士
賃貸から売買まで不動産業務を多岐にわたり経験してきました。その中で任意売却に悩まれている方のお力になれたらと自ら志願して全任協にて従事しております。ご不安ばかりで相談することにも躊躇するかもしれませんが、私たちが不安を取り除き新しい人生のスタートを切れるようにお手伝いさせていただきます。ご相談から売却終了後のサポートまでさせていただきます。お気軽にご相談ください。
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